両家の顔合わせで食事会を開くことになった場合、「誰がどこに座るべきなのか?」と席順が気になるところです。この特別な場は、互いの家族が初めて出会う大切な瞬間ですから、席順に関しては慎重に考えたいものです。家族構成や人数、さらには両家の関係性に応じて、好ましい配席を決めることが重要です。
本記事では、顔合わせの席順を決める際に気をつけるべきマナーや、同席者の特性に応じたケース別の配席について詳しく解説します。また、席順が決まった後に当日までに準備しておくべきポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
顔合わせ食事会の席順を決めるときのマナー
上座と下座にもとづいて配席する
上座: 出入口から最も遠い席で、主に男性側(特に新郎の父)に着席してもらいます。
下座: 出入口に最も近い席で、主に女性側(特に新婦の母)に着席してもらいます。
配席の基本として、「父親」→「母親」と、出入口から遠い順に配置します。お二人(新郎新婦)は中央または出入口に近い位置に座ることが一般的です。
出入口に近い席でも、眺めが良い席や庭園が見える場合は、上座と見なされることがあります。快適さや環境を考慮しながら配席しましょう。
同席者の立場を揃えて対面させる
男性側と女性側が向かい合って座る形にします。たとえば、父親の前には父親、母親の前には母親を配置するのが理想です。
祖父母や兄弟姉妹が同席する場合は、それぞれの親族で立場順に並ぶように心掛けましょう。
できるだけ両家の人数差をなくす
同席者の人数が揃うのが理想ですが、どうしても差が出る場合は、人数差が大きくならないよう配慮します。
大きな人数差は席順のバランスを崩し、少人数の側が心理的に居心地が悪くなる可能性があります。できれば1人程度の差に留め、席間隔を調整しやすくするのが望ましいです。
車椅子や杖の利用者に配慮する
同席者に車椅子や杖を利用している方がいる場合、その方が出入口に近い席を希望するかどうか、あらかじめ本人や親族に尋ねると良いでしょう。
また、選ぶお店が車椅子に対応可能かどうかも事前に確認しておくことが重要です。
【ケース別】顔合わせ食事会の「同席者」に合わせた席順
ここからは、顔合わせ食事会の同席者に合わせた席順をケース別で紹介します。
おふたり+両親の場合
おふたりは基本的に顔合わせ食事会の「主催者」として両親を招く形になるので出入口から近い「下座」に座ります。原則として男性側の父親が「上座」、その対面に女性側の父親、それぞれの父親の隣に母親が並ぶようにしましょう。
もし、女性側の親が男性側の親より年上であるなどして女性側が「上座」に座る方が好ましいという状況であれば位置を替えても問題ありません。
和室に床の間がある場合は?
和室で行われることが多い顔合わせですが、もし「床の間」があれば床の間の前が「上座」となります。「上座」には原則として男性側の父親を配席し、その対面に女性側の父親、それぞれの父親の隣に母親、おふたりは母親の隣の「下座」に並ぶようにしましょう。
円卓で顔合わせをする場合は?
お店のテーブルが円卓の場合も出入口から最も遠い席が「上座」となります。通例として「上座」には男性側の父親を配席し、その隣の出入口側に女性の父親、反対側に男性側の母親が並ぶようにしましょう。おふたりは基本的に主催者ですから、出入口に近い「下座」に着席するのが原則です。
親同士が初対面の場合
親同士が初対面の場合は両家が緊張しやすいため、おふたりは場を和ませるため両親の間に着席してかまいません。基本的には「上座」に男性側の父親を、その対面に女性側の父親を配席しましょう。
どちらかが片親の場合
どちらかが親一人の片親しか同席できない場合、基本的には男性側を「上座」とし、それぞれの立場を揃える形で対面させます。席のバランスとして少し正面よりずらした状態にすると会話がしやすくなるでしょう。
代理の同席者がいる場合は?
片親だからと人数を揃えるため祖父母や兄弟姉妹に同席してもらうのであれば、両家の立場を揃える形で配席します。通例として「上座」に男性側の親族を、その対面に女性側の親族を配席しましょう。
おふたりは基本的に主催者なので出入口に近い「下座」が原則ですが、場を和ませる目的で真ん中に着席してもかまいません。
おふたり+両親+兄弟姉妹の場合
おふたりと両親のほかに兄弟姉妹が同席する場合、通例として男性側を「上座」とし、「父親」→「母親」→「兄弟姉妹(年齢順)」の並びで配席します。おふたりは基本的に主催者なので出入口に近い「下座」が原則ですが、場を和ませるために真ん中に着席してもかまいません。
祖父母も同席の場合は?
兄弟姉妹と祖父母が混在する場合は、おふたりと母親の間に年齢順で配席しましょう。
おふたり+両親+祖父母の場合
おふたりと両親のほかに祖父母が同席する場合、通例として男性側を「上座」とし、「父親」→「母親」→「祖父」→「祖母」の並びで配席します。おふたりは基本的に主催者なので出入口に近い「下座」が原則ですが、両家の緊張をほぐすため真ん中に着席してもかまいません。
兄弟や姉妹が同席の場合は?
祖父母が兄弟姉妹が混在する場合は、おふたりと母親の間に年齢順で配席しましょう。
両家の人数が合わない奇数の場合
両家で同席者の人数が揃わず奇数での顔合わせになったら、正面より少しずらしてバランスよく配席しましょう。通例として男性側を「上座」とし、「父親」→「母親」→「祖父母」→「兄弟姉妹(年齢順)」の並びにします。
おふたりは基本的に主催者なので出入口に近い「下座」が原則ですが、会話がはずむよう母親と祖父母や兄弟姉妹の間に着席してもかまいません。
婿を迎えるor婿養子に入る場合
男性が婿として迎えらられたり、婿養子に入ったりする場合は女性側が「上座」となります。それぞれ通例として「父親」→「母親」の順で並び、おふたりは主催者として出入り口に近い「下座」に座るのが基本。もし親同士が初対面で場を和ませたいなら、おふたりが真ん中に着席してもかまいません。
結納を兼ねた顔合わせ食事会の場合
結納を兼ねた顔合わせでは、おふたりと親のどちらが主体かで席順が変わります。どちらが「主体」となるのかは両家で事前に相談しながら決めておきましょう。
おふたりが主体
おふたりの結び付きを重んじる場合、おふたりが「上座」で女性側は出入口に近い方に着席します。おふたりの隣に「父親」→「母親」の順で配席するのが基本ですが、祖父母や兄弟姉妹が同席するときは「祖父」→「祖母」→「兄弟姉妹(年齢順)」で並ぶようにしましょう。
おふたりの親が主体
家同士の結び付きを重んじる場合、おふたりが「下座」で女性側は出入口に近い方に着席します。「上座」には男性側の父親を配席し、その対面に女性側の父親、それぞれの父親の隣に母親が並ぶように配席。祖父母や兄弟姉妹が同席するときは「祖父」→「祖母」→「兄弟姉妹(年齢順)」で着席するようにしましょう。
片親の場合は?
どちらかが片親の場合は祖父母や兄弟姉妹などに同席してもらい、両家で人数が揃うようにすると印象として好ましい形になります。
顔合わせ食事会の席順が決まってからの準備
顔合わせ食事会の席順が決まったら、当日の着席をスムーズにするため事前準備をしておきましょう。
お店に席のセッティングをお願いする
個室やテーブル席を予約しただけでは、こちらの希望通りのセッティングになりません。お店には出席者の人数だけでなく、どのような形で対面するのか「配席」についても伝えましょう。特に男性側と女性側で人数が違う場合は、バランスのいいレイアウトになるよう調整してもらうのもポイントです。
あらかじめ同席者に席順を伝えておく
どこに誰が座るのかがパッとわかるよう席次表を作って渡したり、席札を用意してテーブルに並べたり、いろいろ工夫して同席者に席順を伝えておきましょう。席順が決まった状態で案内されると、親同士の「上座」の譲り合いも防げます。
まとめ
顔合わせ食事会の席順は、お互いに配慮しながらマナーを考慮して決めることが重要です。
- 上座と下座を意識して配席する: 正しい席決めに基づき、各座の意味を理解して配置を行いましょう。
- 対面者の立場を揃える: 同じ立場の方同士が向かい合う形にすると、会話が弾みやすくなります。
- 両家の人数差を考慮する: 出席者の人数が均等になるように配慮し、コミュニケーションの機会を増やします。
- 特別な配慮が必要な方への対応: 車椅子や杖を利用されている方がいる場合、その方のための配席を考えましょう。
基本的に、主催者であるお二人は「下座」に座るのが一般的ですが、初めての顔合わせで親同士の会話が進まない場合は、真ん中に座るのも良いでしょう。また、両親以外に祖父母や兄弟姉妹が参加する場合は、年齢や立場に応じて両家の配席を揃えることも大切です。片親であったり、人数が奇数の場合は、工夫をしてバランスの良い席配置を考えましょう。
席順が決まったら、当日のスムーズな着席のために以下の準備もお忘れなく。
- お店に席のセッティングを依頼する: 事前に席の配置を伝えておくと安心です。
- 同席者に席順を事前に知らせる: 事前に情報を共有することで、当日の混乱を避けられます。
ぜひ、この記事で紹介したポイントを参考にして、素晴らしい顔合わせ食事会を実現してください。
尚、顔合わせ食事会の進行についてもポイントをまとめた記事がありますので、よければ合わせてご覧ください。
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