結納金を準備する際、ふさわしいお札の選び方や、丁寧な包み方は気になるポイントですよね。結納金は、新たな家族の結びつきを象徴するものですから、正しいマナーで丁寧に渡したいものです。お札の新しさや包み方にも気を配ることで、礼儀を尽くした贈り方ができ、相手方に安心感と誠意を伝えることができます。
本記事では、結納金のお札の選び方や包み方の基本マナーをわかりやすく解説します。
これから準備を進める方は、ぜひ参考にしてください。
結納金を包むために必要なもの
結納金は適切な紙幣に加え、金額に応じて異なる袋や箱を用意することが求められます。
ここでは、結納金を包む際に必要なアイテムをご紹介いたします。
使用する紙幣は未使用の新札のみ
結納金は必ず新札で用意することが大切です。しかし、新札への交換には手数料がかかることや、交換できる枚数に制限があることもありますので、ご注意ください。また、金融機関によって対応が異なりますので、早めに確認しておくことをお勧めいたします。
ご祝儀袋は華やかな結納金袋で
結納金を包む際には、「あわじ結びの水引」や「2枚以上重なったもの」など、華やかな結納金袋を使用しましょう。結納という一生に一度の慶事においては、ほどけない「結び切り」の水引が一般的ですが、あわじ結びは結び切りを変形させたものであり、両端を引っ張ることで結び目が固くなり、「末永い付き合い」を意味します。
また、地域によっては、結納金の水引に「松の飾り」をあしらう風習があり、柳樽料(酒料)には「竹の飾り」、松魚料(肴料)には「梅の飾り」を用いることがありますので、こちらもご留意ください。
なお、「幸せが重なるように」という願いを込めて、包み紙が2枚以上重なっていることも重要です。見た目だけ2枚重ねのタイプでも構いませんが、より丁寧で格式の高い印象を与えるためには、実際に2枚以上の紙で重ねたタイプを選ぶことをお勧めいたします。
一般的に、表包みのデザインは「紅白」が基調となりますが、婿養子を迎える場合には地域によって「青白」や「緑白」が用いられるため、事前に確認しておくことが必要です。結納箱は、専門店やネットショップで購入可能ですので、金額や結納の形式に応じたものを選びましょう。
金額が100万円以上の場合は結納箱に
結納金が100万円以上の場合は、袋では型崩れするため「結納箱」と呼ばれる桐箱や金子箱に入れる必要があります。結納箱にはフタ式と引き出し式があり、金額によるタイプ分けはありませんが、金額に応じて箱の厚さや大きさが異なります。
結納箱に結納金を入れる際には、箱の上に「あわじ結び」の水引が付いた上包みをかぶせて包むことが大切です。結納箱は結納セットを販売している専門店やネットショップで購入できますので、金額に見合ったグレードのものを選ぶよう心がけましょう。
結納金の正しい包み方|表書き
ここでは、結納金の表書きについて詳しくご紹介いたします。結納金を包む際には、結納金袋の場合は外包みとして、結納箱の場合は上包みとして、それぞれ確認することが重要です。地域や結納の形式によって異なるため、以下で詳しく見ていきましょう。
地域によって違う書き方
結納金は地域ごとに呼び方が異なるため、表書きの内容もそれに応じて変わります。例えば、以下のような表現が一般的です。
「御帯料(おんおびりょう)」:主に東京を中心とした関東地方
「小袖料(こそでりょう)」:大阪を中心とした関西地方
「帯地料(おびじりょう)」:京都や滋賀の一部地域
結納金は、花嫁衣装を作るための「衣装代」として贈られるものであり、かつては反物そのものが贈られていたため、これらの用語は着物に由来しています。なお、四国や九州では「結納料」と表記することもありますので、地域によって使い分けることが大切です。
もし、花嫁と花婿のどちらの地域のスタイルを採用するかで迷った場合は、両家で相談して決める必要があります。
顔合わせの場合の書き方
結納という形式ではなく、簡略化された顔合わせ食事会において結納金の代わりとして「結婚準備金」や「御支度金」を贈る場合もあります。この際にも、表書きは結納金と同様に重要です。なお、婚約儀式として簡略化されていても、相場は結納金と同じです。
ふたりへのお祝い金としての意味合いが強い場合は、「寿」や「御祝」といった表書きも適切です。「寿」は略式結納の際でも使用可能です。
名前は基本的に書かなくてよい
結納金は「誰が」「誰に」渡すのかが明確なため、基本的には名前を書かなくて構いません。ただし、どうしても名前を記入したい場合には「苗字」だけを記入することをお勧めいたします。
また、略式結納で目録がない場合は「フルネーム」を記入する必要があります。なお、毛筆に自信がない方のために、代筆を承る結納ショップもありますので、事前に確認されることをお勧めします。
このように、結納金の表書きには細やかな配慮が必要ですが、正しいマナーを守ることで、より一層意味のある贈り物となります。
結納金の正しい包み方|中書き
中書きは中包みに金額を記入する際の重要な要素であり、旧字体を用いるのがマナーとされています。例えば、100万円の場合は「百萬圓」と表記し、末尾に「也」を添えることで「百万円です」との意味を込めます。
旧字体の金額表記例
以下に、いくつかの金額を旧字体で示します。
30万円……参拾万円
50万円……伍拾万円
70万円……七拾万円
80万円……八拾万円
150万円……百伍拾万円
200万円……弐百万円
300万円……参百万円
結納金を他の酒肴料と一緒に渡す場合は、「御帯料」や「小袖料」といった名称を添えるとより丁寧な印象を与えます。
また、中包みの裏には折り目の先端が位置しますので、その部分に「寿」または「封」と記入し、糊付けを行います。なお、場合によってはご祝儀袋の裏に住所欄が設けられていることがありますが、結納金の場合には住所を記入する必要はありません。
このように、結納金の中書きにおいても細やかな配慮が求められます。正しい形式を守ることで、より一層の敬意を表すことができるでしょう。
結納金の正しい包み方|お札の向き
結納金を包む際のお札の向きに関して、絶対的な決まりは存在しませんが、一般的にはご祝儀の際に人物が描かれている面を表とし、中包みの表に合わせることが推奨されています。
また、お札の向きを揃えることも大切なポイントです。中包みの「どこが表」となるかは、お札の入れ方によって異なるため、正しい入れ方については次の章で詳しく確認することをお勧めいたします。このような細やかな配慮が、結納金を贈る際の礼儀や心配りを一層引き立てます。
結納金の正しい包み方|お札の入れ方
結納金を包む際には、金額に応じて中包みへのお札の入れ方が異なります。ここでは、特に「200万円」を目安にしたお札の入れ方について、手順を詳しくご紹介いたします。
お札「200万円」までの入れ方
- 中包みを左右に開きます。
- 真ん中の部分にお札を置きます。
- 折り目に沿って元の形に戻します。
- 袋を裏返し、紙の先端に糊付けします。
- 糊付けした部分に「封」または「寿」と記入します。
- 中包みごと外包みに入れ直します。
お札「200万円」以上の入れ方
- 中包みを全体に大きく広げます。
- 真ん中にお札を置きます。
- お札は人物が上を向くように置きます。
- お札の厚みに応じて位置を調整します。
- 折り目に沿って元の形に戻します。
- 最後に上から下、次に下から上と折ります。
- 裏の糊付けは行いません。
結納金は、結婚準備の一環として新たな門出を祝う大切な金銭です。この特別なお金を丁寧に用意することで、両家の絆をより深めることができます。
新札で用意し、地域に応じた表書きや中包みの入れ方をしっかりと押さえておくことで、マナーを守りつつ、結納の儀式をスムーズに進めることができるでしょう。初めての結納に対する不安もあるかもしれませんが、この記事を参考にすることで、準備がより明確になるはずです。
ぜひ、この記事を活用して、素敵な結納の場を迎えてください。新たなスタートを祝うために、心を込めて準備を進めていきましょう。
尚、結納金のシチュエーション別での相場やマナーをまとめた記事がありますので、よければ合わせてご覧ください。
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