ビジネス会食の辞退をメールで行う際、相手に失礼のない表現を使うことは重要です。
どのような理由であれ、会食を辞退することで相手に不快な思いをさせないかどうか悩むものです。
本記事では、ビジネス会食をお断りする際のメールの書き方や、丁寧に伝えるためのポイントを解説します。
また、注意すべき点も合わせて紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
丁寧に断るべき理由
ビジネス会食を辞退する際に丁寧さが求められる理由には、以下の2つがあります。
良好な関係を維持するため
ビジネスの世界では、関係性が何よりも大切です。会食はビジネスにおける重要なコミュニケーションの場ですが、ここでの不適切な断り方は、相手との関係を損なうリスクがあります。例えば、冷たく無機質なメールでの辞退は、相手に「自分のことを大切にしていない」と思わせかねません。丁寧なお断りを心がけることで、相手との信頼関係を維持し、今後のビジネスにおいても円滑なコミュニケーションを続けることができます。
将来的なチャンスにつながる可能性があるため
ビジネスは長期的な関係の上に成り立っています。お断りのメールが礼儀正しく、相手に対する配慮を示していれば、信頼感が生まれ、将来的に新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が高まります。たとえ今は参加できなくても、関係を大切にしている姿勢を見せることが、今後の取引やコラボレーションにつながるかもしれません。
ビジネス会食を辞退するときに気をつけたいこと
ビジネス会食を辞退する際は、相手に失礼のないように、タイミングや断り方に気を配ることが大切です。以下に、誘いを受けたけれど断らなければならない場合のベストなタイミングやマナーを確認しましょう。
お断りは早めに伝える
ビジネス会食の誘いを辞退する場合、できるだけ早めに伝えるのがマナーです。相手はお店の予約や食事の手配など、会食の準備を進めているため、早めにお断りすることでその準備の妨げにならないよう配慮しましょう。しかし、誘いを受けた直後にすぐ断ると、印象が悪くなる可能性があります。最適なタイミングとしては、お誘いを受けた日から2~3日以内が理想です。たとえば、午前中に誘われた場合は、その日の夕方までにメールを送るなど、断るまでの時間に気を使いましょう。
もしお誘いを受けた時点で予定がはっきり決まっていない場合は、予定が決まり次第改めて連絡する旨を伝えた上で、できるだけ早めに返答することが重要です。
電話や対面で「直接」謝る
ビジネス会食の辞退に関しては、相手の立場や関係性、日頃の連絡手段によって対応が異なります。
場合によっては、電話や対面で直接辞退を伝える方が適切なこともあります。たとえば、会食当日までに接する機会がある相手には、まず辞退のメールを送った後で直接お詫びをすることが、より丁寧な対応となります。このように、状況に応じて適切な方法を選ぶことが、良好な関係を維持するためには不可欠です。
ビジネス会食辞退メールで抑えておきたいポイント
会食を辞退する際、後ろめたさから「やんわりとした表現」にこだわったり、長々と説明してしまうことがありますが、これは避けるべきです。
相手に余計な時間や気遣いをさせないためにも、ポイントは「明確かつ簡潔」に伝えることです。
辞退メールの基本構成
お断りメールの趣旨をわかりやすくするため、まずは基本構成を確認しておきましょう。
件名
相手に見過ごされないよう、「隅付き括弧(すみつきかっこ) 」で囲むなどして件名はシンプルかつ目立つようにしましょう。
宛名
宛名は相手を「社外」「社内」とで分けて表記しましょう。
送信先 | 宛名 |
社外 | 例:○○株式会社 営業部 部長 山田太郎 様 ※会社名→部署名→役職名→氏名→敬称(様) |
社内 | 例:○○部長、○○課長、○○さん |
挨拶
冒頭での挨拶文は相手が「社外」「社内」とで異なるため注意しましょう。
送信先 | 挨拶 |
社外 | 例:「いつも大変お世話になっております。」「平素より大変お世話になっております。」など |
社内 | 「お疲れ様です。」「食事会についてのご連絡ありがとうございます。」など |
お誘いへのお礼
お断りの前に、まずは会食の誘いへのお礼を述べましょう。
辞退へのお詫び
冒頭での挨拶、お誘いへのお礼の後、早めに辞退の意思を伝えてお詫びをしましょう。
率直すぎる言い方は相手を傷つける可能性があるため、クッション的な言葉を使い、相手への配慮を忘れないようにしましょう。
お誘いを断る理由
お誘いを断る際には、相手の立場に立ち、会食の準備や調整をしてくれたことへの感謝と申し訳ない気持ちを、簡潔かつ柔らかい表現で伝えることが大切です。
なぜ辞退に至ったのか、理由も一言添えておくと丁寧です。ただし、理由を長々と説明するのは、かえって相手に負担をかける可能性があります。
代替案
たとえば相手との一対一の食事会であったりなど、代替案を提案することが可能なケースもあります。
内容や参加人数、参加者などから代替が可能かどうかも判断しながら相手に相談しましょう。
今後のこと
会食を辞退したからといって、相手との関係が終わるわけではありません。
相手との良好な関係を維持するため、今後についても触れておきましょう。
気遣いの一言
会食に誘ってくれた相手に対して気遣う一言を添えましょう。
署名
- 所属部署/課
- 役職
- 担当者名
- 会社の所在地
- 会社の電話番号
- 会社のFAX番号
- メールアドレス(会社/自分)
- WebサイトなどのURL
ビジネス会食を辞退するときの丁寧な「お断りメール」例文
ビジネス会食を辞退するときに役立つ丁寧な「お断りメール」の例文を3つのパターンで紹介します。
- 辞退が確定している場合
- 当日の予定が不明な場合
- 代替案を提案できる場合
お誘いを受けた時点での「辞退確定」「予定不明」「代替案あり」の3パターンに分けていますので、あてはまるものをご参照ください。
辞退が確定している場合
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
△△株式会社の□□でございます。
このたびはお忙しい中、お誘いいただき誠にありがとうございます。〇〇様のお心遣いに深く感謝申し上げます。
しかしながら、あいにく業務上の都合により、今回はご一緒させていただくことが難しく、ご辞退させていただきたく存じます。
大変恐縮ではございますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。また、別の機会にお会いできることを楽しみにしております。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
**************
(以下署名)
・はっきりとした表現で断りながらも、やんわりとした言葉を用いてお詫びをし、今後の関係性にもつなげましょう。
代替案を提案できる場合
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
△△株式会社の□□でございます。
このたびはお忙しい中、お誘いいただき誠にありがとうございます。〇〇様のお心遣いに深く感謝申し上げます。
あいにく、当初ご提案いただいた日程では業務上の都合によりご一緒することが難しい状況です。
大変恐縮ではございますが、別の日程をご提案させていただきたく存じます。
もしご都合がよろしければ、以下の日程はいかがでしょうか?
○月○日(曜日)
○月○日(曜日)
○月○日(曜日)
もちろん、〇〇様のご都合に合わせて調整させていただくことも可能です。ご確認のほど、よろしくお願い申し上げます。
お忙しい中恐れ入りますが、ご返信をお待ちしております。
何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
**************
(以下署名)
・代替案を示しつつ、相手の都合に配慮した柔軟な姿勢を伝えることがポイントです。
当日の予定が不明な場合
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。
△△株式会社の□□でございます。
このたびはお忙しい中、お誘いいただき誠にありがとうございます。〇〇様のお心遣いに深く感謝申し上げます。
現時点では、当日の予定がまだ確定しておらず、参加が可能かどうかをすぐにお伝えすることが難しい状況です。
大変恐縮ではございますが、近日中に予定を確認し、改めてご連絡させていただければと存じます。
〇〇様のお時間をいただき大変恐縮ではございますが、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。引き続きよろしくお願い申し上げます。
敬具
**************
(以下署名)
・状況を丁寧に説明しつつ、後日改めて連絡することを約束することで、相手に安心感を与えるようにしましょう。
まとめ
仕事関係者や上司から会食に誘われたが、どうしても出席できない場合は、丁寧に断ることが重要です。
改めてビジネス会食への辞退メールを送るときのポイントをおさらいしましょう。
- 明確かつ簡潔に伝える
- 辞退の理由を添える
- 気遣いを忘れない
- 次につながる表現を補足する
お断りメールは、丁寧で礼儀正しい表現を心がけつつ、基本的な構成に沿ってまとめることがが大切です。
本記事では、ビジネス会食を丁寧に辞退する際に使える「お断りメール」の例文を、3つのパターンでご紹介しました。
この記事を参考にして、相手との良好な関係や、今後のビジネス展開を考慮した、誠意あるメールを作成してください。
尚、接待の「お誘いメール」や、接待後の「お礼メール」についても例文やポイントをまとめた記事がありますので、よければ合わせてご覧ください。
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