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【接待における座席マナー】幹事が心得るべき上座・下座のルールと実践事例」

接待での会食において、どの席に相手を座らせるかは非常に重要なマナーです。相手に失礼のないよう配慮することが求められます。

本記事では、接待での会食に適した席次をシーン別に詳しくご紹介します。座席の決め方の基本から、特定のシチュエーションに最適なポジションまで解説しますので、当日の準備にぜひお役立てください。

接待で会食するときの座席はどう決める?


接待での会食において、座席の決め方は非常に重要です。ここでは、「基本」と「応用」の2つの観点から解説します。

基本:上座と下座の理解

接待における座席決めの基本は、「上座」と「下座」の位置関係にあります。ゲストには「上座」を配席し、ホストはゲストの序列に合わせて「下座」に座ります。

  • 上座:出入口から最も遠い席
  • 上座:その場で最も快適に過ごせる席

応用:状況に応じた上座の選定

上座は出入口との位置関係以外にも、さまざまな要因によって決まります。接待シーンやロケーションに応じた最適なポジションを把握しておくことが大切です。

  • 和室に床の間がある場合:床の間の前が上座
  • 中から庭園や夜景が見える場合:窓の向い側が上座
  • 絵画や調度品が飾られている場合:それらが見える席が上座
  • 個室ではないオープン席:壁に背を向けられる席が上座
  • 長テーブルや3名以上で横に並ぶ場合:中央の席が上座

これらのポイントを押さえて、相手に失礼のないように座席を決めることが接待成功の鍵となります。

【シーン別】接待での会食にふさわしい席次


こ接待の場面では、座席の配置が重要です。ここでは、日本料理店の和室や送迎車、新幹線などのシーンに応じた適切な席次を図解で確認していきましょう。

図解の説明:席次は「上座」から「下座」へと優先順位を付けて、「1」から順番に番号を振っています。
この席次はあくまで基本的な一例ですので、シチュエーションやロケーションに応じて最適なポジションを見つけることが重要です。

日本料理店の「和室」

和室での接待では、接待対象者を「上座」に配置します。ホストは、相手の序列に合わせて向かい合う形で「下座」に着席します。これにより、相手に対しての敬意を表すことができます。

4人の場合


出入口から最も遠い席が「上座」とされます。この「上座」には立場が最も高い人を配置し、その隣、出入口に近い右側の「2」には立場が2番目の人を座らせます。接待する側はテーブルを挟んで、先方の序列に合わせて向かいに着席します。

POINT

4人席に「3人」で座る場合:
接待する側が「2人」なら、ゲスト「1人」を「上座」に配置。
4人席にゲスト「1人」の場合(3対1のパターン):
ゲストは「上座」の「1」に配置。
ゲストの隣には、接待する側で立場が2番目の人が「上座」の「2」に座ります。
ゲストの向かいには、接待する側で立場が最も高い人が「下座」の「3」に配置。
その隣には、接待する側で立場が3番目の人が「下座」の「4」に座ります。

このように、座席の配置は先方の序列に従って適切に行うことで、接待の場での礼儀正しさを保つことができます。

5人の場合


出入口から最も遠い「上座」の「1」には、立場が最も高い人を配置します。その隣、出入口に近い右側の「2」には、立場が2番目の人を座らせます。接待する側はテーブルを挟んだ向かいに、出入口から遠い順に立場の高い人から着席します。

6人の場合


出入口から離れた側が「上座」となります。3人以上が横に並んで座る場合、「上座」の中央にはゲストの中で立場が最も高い人を配置。その後、「上座」の「1」から見て左側に「2」、右側に「3」と、立場の高い順に並べます。接待する側はテーブルを挟んだ向かいに、先方の序列に合わせて着席します。

8人の場合


まず、「上座」の中央、出入口から離れた席「1」にはゲストの中で立場が最も高い人を配置。その後、「上座」の「1」から見て左側に「2」、右側に「3」、その隣に「4」と、立場の高い順に付けていきます。接待する側はテーブルを挟んだ向かいに、先方の序列に合わせて着席。幹事や接待全体をエスコートする人には、動きやすい「8」が最適です。

10人の場合


出入口から離れた側が「上座」となり、「上座」の中央にはゲストの中で立場が最も高い人を配置。その後、「上座」の「1」から見て左側に「2」、右側に「3」、左側に「4」、右側に「5」と、立場の高い順に配置します。12人以上の場合も同様の手順で席次を決めます。接待する側はテーブルを挟んだ向かいに、先方の序列に合わせて着席。幹事など接待全体をエスコートする人には、動きやすい「10」が最適です。

寿司店の「カウンター」


出入口から最も遠い席が「上座」となりますが、寿司職人から近い席が優先されます。もし2人でゲスト2人を接待する場合は、両端に座ってゲストを挟む形にすると良いでしょう。

中国料理店の「円卓席」


出入口から最も遠い「上座」に、ゲストの中で立場が最も高い人を配席します。個室でもオープン席でも、壁に背を向けられる席が最上位の「上座」となります。配席順は、「上座」の「1」から見て左側に「2」、右側に「3」、さらに左側に「4」、右側に「5」と立場の高い順に配置します。少人数の場合は間隔を空けたり、円卓席の上半分だけを使ったりすることも考慮します。

レストランの「テーブル席」


レストランでは出入口から最も遠い席が「上座」となりますが、壁に背を向けられる席が最上位の「上座」とされます。個室やオープン席に関わらず、「上座」の基本的な位置は変わりません。

レストランの「ソファー席」


ソファー席でも、出入口から最も遠い席が「上座」となります。個室やオープン席に関わらず、壁に背を向けられる席を最上位の「上座」とし、座席の形状によって「格」が変わるため、以下のように配席を考慮します:

  • ソファー(長椅子)……最上位
  • アームチェア(ひじ掛け付き)……2番目
  • アームレスチェア(ひじ掛けなし)……3番目
  • スツール(座面のみ)……4番目
  • 店内からの「眺めがいい席」


    夜景や庭園、オーシャンビューが見える場合は、出入口から近くても窓が見える席を「上座」としましょう。3人以上が横に並んで座る場合は、「上座」の中央にゲストの中で立場が最も高い人を配置し、配席順は「上座」の最上位から出入口の位置関係に合わせて立場の高い順に付けます。接待する側はテーブルを挟んだ向かいに、先方の序列に合わせて着席します。

    宴会場の「長テーブル」


    宴会場では、中央に位置するほど「上座」となり、舞台や演台に近い席の方が「上座」の順位も高くなります。社内メンバーと社外ゲストが半々程度の場合は、中央と前方を「上座」とし、その序列に合わせて接待する側を向き合わせて配席します。

    送迎用の「車」

    接待のための送迎車を用意する際、乗る「車」によって「上座」が異なります。

    タクシーの場合


    運転席の後ろが「上座」となります。3人で後部座席に乗る場合は真ん中が「下座」、4人で乗車する場合は助手席が「下座」となります。

    社用車の場合


    助手席を「上座」とし、3人で後部座席に乗る場合は真ん中が「下座」とします。ただし、運転手によっても上座の優先順は変わるため、最も快適に過ごせる座席を「上座」として臨機応変に配席しましょう。

    新幹線の「座席」

    新幹線で移動する際は、窓側を「上座」、通路側を「下座」として席順を決めます。それぞれ出入り口のドアから遠い席を「上座」の上位として配席します。

    3人掛けの場合


    窓側が最優先で、通路側、中央の順で優先度が変わります。会話を弾ませるために、「1」の隣に「2」を付ける必要もあるでしょう。

    4人掛けの場合


    出入口から最も遠い窓側が「上座」となりますが、進行方向に向かって座れることも条件となります。場合によっては「2」と「3」を入れ替えて、接待する側と接待される側が向き合って座っても問題ありません。

    まとめ


    接待での会食を成功させるためには、まず出入口を基準にした「上座」と「下座」の位置を理解し、ゲストを適切に配席することが重要です。また、「接待する側」と「接待される側」の人数バランスも考慮しながら、最適な席順を割り振ることが大切です。

    さらに、テーブルの形状や会場のスタイル、ロケーションによってもベストポジションは変わるため、ゲストが快適に過ごせるよう配慮しましょう。たとえば、会話のしやすさや視界の良さなども考慮に入れると良いでしょう。

    本記事では、接待に適した席次について、お店や送迎車、新幹線などの座席を図解しながら詳しく紹介しました。ぜひ、この内容を参考にして、接待当日までの準備にお役立てください。

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