顔合わせ食事会は、両家が初めて顔を合わせる重要なイベントです。この特別な場では、歓談を楽しみながら美味しい料理を味わい、婚約記念品の交換などのイベントも行われるため、所要時間は約2時間半から3時間が目安となります。
本記事では、顔合わせ食事会の基本的な流れや進行例を紹介し、事前にどのような準備が必要かを詳しく解説します。特に、結納後の「食事会」とは異なり、結納の代わりに「顔合わせ食事会(婚約食事会)」のみを行う場合の段取りに焦点を当てていますので、これからの準備に役立てていただければと思います。
顔合わせ当日までに準備しておくべき事項
参加者を決める
基本的には、新郎新婦と両家の親が顔合わせに参加しますが、特に厳密な決まりはありません。兄弟姉妹や祖父母を招待することも可能ですので、両家で相談しながら参加者を決定しましょう。
参加者が決まったら、「どのような雰囲気の顔合わせにしたいか」を両家でしっかりすり合わせておくことが重要です。フォーマルな雰囲気やカジュアルな雰囲気など、会のスタイルを最初に決めることで、会場選びや進行内容がよりスムーズに進みます。
日程を決める
顔合わせの日程を決定する際は、参加者全員の都合を確認することが不可欠です。お日柄を重視するカップルにとっては、「大安」などの縁起の良い日を選ぶことも一つのポイントとなります。
参加者が確定したら、まずは日程の候補をいくつか挙げ、新郎新婦がそれぞれの家族に予定を確認してみましょう。一般的には、結婚式の約6ヶ月前に顔合わせを行うカップルが多く、結婚式が近づくにつれて準備が忙しくなるため、遅くとも3ヶ月前には顔合わせを済ませることをおすすめします。
日取りについては、縁起の良いお日柄を選ぶこともできますが、両家の両親がそれほど気にしない場合は、特にこだわらなくても問題ありません。「大安」の他にも「友引」や「先勝」、「先負」といった選択肢がありますが、これらは時間帯によって吉凶が異なるため注意が必要です。「友引」は午前または夕方が吉とされ、「先勝」は午前、「先負」は午後が良いとされています。
開催時間を決める
食事会の時間帯はお昼が一般的ですが、夜に開催することも可能です。お酒を楽しみたい場合には、夜の食事会も魅力的な選択肢となります。
さらに、会場が実家から遠い場合や新幹線や飛行機を利用して日帰りする必要がある場合は、早めの時間帯に開始する方が良いでしょう。
エリアを決める
顔合わせの際は、両家からアクセスしやすいエリアを選ぶことが重要です。特に遠方からの参加者がいる場合は、お互いの実家の中間地点を選ぶことが一般的ですが、どちらかの実家近くの会場を利用するケースもあります。遠方から来てもらう場合は、会場を駅や宿泊施設の近く、または公共交通機関でのアクセスが容易な場所に設定することを心がけると良いでしょう。
会場を決める
顔合わせの会場は、落ち着いて食事や会話を楽しめる料亭やレストランの個室が人気です。最初に決めた食事会の雰囲気に合わせて、フォーマルな会場にするかカジュアルな会場にするかを検討すると良いでしょう。
もし結婚式の会場がすでに決まっている場合は、その会場内のレストランを利用するのも一つのアイデアです。この場合、両家の親にも会場の雰囲気や料理を実際に確かめてもらうことができます。
また料理について顔合わせの際は、ゆったりと楽しめるコース料理をおすすめします。コース料理は、注文に関するやり取りが少なく、会話と食事を存分に楽しむことができるため、特に好まれます。
一方で、大皿料理や鍋料理など、取り分けが必要な料理は避ける方が無難です。料理のジャンルは、両家の親の好みを考慮して選ぶと良いでしょう。
また、アレルギーや嫌いな食べ物がある場合は、事前に会場に伝えておくことで、適切に対応してもらえます。予約の際には、「顔合わせ食事会で利用する」と明確に伝えることも重要です。
さらに、当日はお酒の飲み方についても少し相談し、失敗を避けられるように配慮したいところです。
支払いを事前に決めておく
カップルが親を招待する形で、費用を折半するスタイルが増加しているようですが、親を含めた両家で費用を折半するケースも見受けられます。
さらに、遠方から参加する場合は、交通費や宿泊費が発生することも考慮しなければなりません。一般的には交通費は各自で負担することが多いですが、「招待する側だから」としてふたりで負担するカップルも存在します。
一方が遠方に住んでいる場合には、交通費や宿泊費を片方が負担し、食事代はもう片方が持つという柔軟な方法もあります。
このような費用の負担方法については決まりがないため、事前に皆が納得できる形を話し合って決定することが重要です。
手土産について
手土産の有無や予算については、両家で事前に話し合っておくことが大切です。手土産は必須ではありませんが、多くの方が用意する傾向にあります。
手土産は、両家の金額に大きな差があると気まずさを感じることもありますので、できるだけ同じくらいの予算で調整するのが望ましいです。新郎新婦はそれぞれの親に確認しつつ、前日までに手土産を準備しましょう。一般的な相場は3,000円から5,000円程度です。
おすすめの手土産には、以下のような品々があります
- 日持ちする個別包装の菓子折り
- バームクーヘンなど縁起の良い食べ物
- 話の種になる地元の名産品
親の好みを考慮しながら選ぶと、より喜ばれるでしょう。一方で、避けた方が良いものには次のようなものがあります
- 日持ちしない生もの
- 重たいもの
- かさばるもの
手土産を渡す際は、紙袋や風呂敷から取り出し、正面に汚れがついていないか確認してから、相手の方に向けて差し出します。
たとえば、「〇〇がお好きだと伺いましたので、地元で評判の品をお持ちしました」と一言添えると、より印象が良くなります。
基本的な顔合わせ当日の流れ
まずは、顔合わせ当日の流れをしっかりと確認し、進行のイメージを掴んでおくことが重要です。一般的な顔合わせの流れは、次の通りです。
【1】待ち合わせ
顔合わせの待ち合わせは、実家や最寄り駅など、会場以外の場所で事前に設定しておきましょう。それぞれの家族ごとに集合し、会場の前やロビーで両家が合流する流れにしておくことで、紹介や挨拶がスムーズに進みます。
予約時間の5分前には両家が会場に揃うように待ち合わせをしましょう。先に着いても全員が揃うまでは入店や着席を控え、軽く挨拶をしてから個室やテーブルへ向かいます。
全員が現地集合の場合、新郎新婦より親同士が先に顔を合わせてしまうと気まずい状況になる可能性があるため、必ず会場の外で家族ごとに待ち合わせをしておきましょう。
【2】入室・着席
個室やテーブルへはスタッフが案内しますが、どの席に座るかは新郎新婦のエスコートが重要です。基本的には上座(入口から最も遠い席)に新郎の父を案内しますが、両家の関係性や当日の雰囲気によっては、新郎新婦が両親の間に座ることも可能です。祖父母や兄弟が同席する場合は、年長者から順に母親の隣に座ってもらうように配慮しましょう。
座席案内は新郎新婦が行い、手土産を交換する場合は、着席のタイミングで自然に行いましょう。
また、両家が揃ってから着席することを基本とし、天候や気温に対応できる待合室のある会場を選んでおくと安心です。
【3】始まりの挨拶
着席が済んだら、代表者が始まりの挨拶を行います。一般的には、新郎か新郎の父が担当しますが、どちらが挨拶を行うかは事前に決めておきましょう。
新郎が挨拶する場合は新郎父が、新郎父が挨拶する場合は新郎が、タイミングを見て前振りをするとスムーズです。
挨拶はシンプルに済ませ、結婚に関する詳細な話題や家族紹介は後の歓談の時間にゆっくり行うのが良いでしょう。
【4】乾杯の挨拶
乾杯の挨拶は、新郎または新郎父が行うのが一般的ですが、新婦の父にお願いすることもあります。事前に依頼しておくと丁寧です。
乾杯の挨拶は短くシンプルに、「両家の結びつきを祝して」や「婚約を祝して」という言葉を添えて行います。歓談にすぐ移れるよう、長すぎない挨拶を心掛けましょう。
【5】家族の紹介
挨拶の後、両家がより親睦を深められるよう、家族を紹介します。順番としては、新郎側が先に紹介し、その後新婦側を紹介します。
新郎新婦が家族を紹介する方法か、全員で自己紹介する方法を選びましょう。紹介内容には年齢や出身地、職業、趣味など、パーソナルな情報を含めると良いですが、家族を弄ったりするような内容は避けるべきです。
【6】結びの挨拶・解散
顔合わせが終わる頃、新郎または新郎父が結びの挨拶を行います。これによって食事会の締めくくりとなり、解散の流れへと入ります。
結びの挨拶の後、すぐに解散するのではなく、余韻を残すようにして少し会話を交わす時間を設けましょう。
新婦は新郎の両親と、新郎は新婦の両親と軽く話をしながら和やかに会場を後にすると良いです。
また、手土産や交換した記念品を忘れないように気をつけましょう。挨拶後にその場で長時間話し込まないようにも配慮し、スムーズに解散できるようにしましょう。
まとめ
結婚への第一歩として、両家の顔合わせは非常に重要な意味を持っています。この記事でご紹介した準備や流れをしっかりと理解し、計画を立てることで、より良い顔合わせを実現することができるでしょう。
顔合わせは単なる形式的な行事ではなく、両家の絆を深め、互いの理解を深める貴重な機会です。そのため、心に残る素敵なひとときを演出するためには、事前の準備が不可欠です。
ぜひ、この記事を参考にして、あなたにぴったりの顔合わせを迎えましょう。新たな未来に向けた第一歩を、一緒に踏み出しましょう。
尚、顔合わせ食事会での席順、挨拶マナーについても例文やポイントをまとめた記事がありますので、よければ合わせてご覧ください。
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