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結納の流れに沿った口上・挨拶例文集

結納は、両家の結びつきを正式に確認する大切な儀式であり、その際に重要な役割を果たすのが「口上」です。口上は、結納の場で両家が交わす言葉であり、婚約の意志を示すとともに、相手の家族への敬意や感謝の気持ちを表すものです。

とはいえ、どのような内容を伝えるべきか、どのタイミングで口上を述べるべきか、具体的なポイントがわからない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、結納における口上の役割や、実際に述べるべき内容、そしてスムーズに進行するためのポイントについて解説します。結納の場がより意味深いものとなるよう、ぜひご参考にしてください。

結納の一般的な流れ

結納の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 入場
  2. 始めの挨拶(親、本人、仲人)
  3. 男性側から女性側へ結納品を渡す(親、本人、仲人)
  4. 女性側から男性側へ結納品の受書を渡す(親、本人、仲人)
  5. 女性側から男性側へ結納返しを渡す(親、本人、仲人)
  6. 男性側から女性側へ結納返しの受書を渡す(親、本人、仲人)
  7. 婚約記念品のお披露目(本人)
  8. 締めの挨拶(親、本人、仲人)

結納は、結納品と受書(領収書のようなもの)の受け渡しを行う儀式です。正式結納でも略式結納でも、上記の流れに従い、決まり文句を用いて口上や挨拶をしながら進めます。

【シーン別】結納の流れに沿った口上・挨拶の例文


結納の儀式では、場の形式や状況に応じて適切な口上・挨拶が求められます。以下に、略式結納や正式結納における挨拶の例文を、シーン別で紹介します。

始めの挨拶(親、本人、仲人)

結納の儀式が始まると、入室する順番は男性側→女性側となり、全員が着席した後に、始めの挨拶で結納の儀をとりおこないます。

始めの挨拶をする人
正式結納 仲人夫妻
略式結納 男性の父(父親不在のときは母親か本人)

略式結納の場合

始めの挨拶/男性の親(家主体)
このたびは○○家のご長女○○様と、私どもの長男○○との縁談をご承諾くださいまして誠にありがとうございます。本日はお日柄もよろしいので、ただいまより、結納の儀を執り行わさせていただきます。
始めの挨拶/男性の親(本人主体)
このたびは○○様(女性)と、息子○○との縁談をご承諾くださいまして誠にありがとうございます。本日はお日柄もよろしいので、ただいまより、結納の儀を執り行わさせていただきます。
始めの挨拶/男性本人
このたびは○○様(女性)との縁談をご承諾くださいましてありがとうございます。本日はお日柄もよく、ただいまより、結納の儀を執り行わさせていただきます。

正式結納の場合

始めの挨拶/仲人
本日は、お日柄もよく、ご両家様におかれましては誠におめでとうございます。ただいまより、○○家 ○○家ご両家 御結納の儀を執り行わさせていただきます。それでは、まず始めに、新郎家お父様よりご挨拶を賜りたいと存じます。

結納品の取り交わし(親、本人、仲人)


男性側から女性側に結納品が渡され、女性側から男性側へ受書が渡されます。

略式結納の場合(結納品を渡すとき)

結納品を渡すときの口上/男性の親(家主体)
婚約のしるしとして、○○家より結納の品を持参いたしました。幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。
結納品を渡すときの口上/男性の親(本人主体)
婚約のしるしとして、○○(男性)よりの結納の品でございます。幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。
結納品を渡すときの口上/男性本人
婚約のしるしとして、私どもからの結納の品でございます。幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。

略式結納の場合(結納品を受けるとき)

結納品を受けるときの口上/女性の親、もしくは女性本人
幾久しくお受けします。誠に結構なご結納の品々を賜りまして、ありがとうございます。

略式結納の場合(結納品の受書を渡すとき)

結納品の受書を渡すときの口上/女性の親(家主体)
○○家よりの受書でございます。幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。
結納品の受書を渡すときの口上/女性の親(本人主体)
○○(女性)よりの受書でございます。幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。

略式結納の場合(結納品の受書を受け取ったとき)

結納品の受書を受け取った後の口上/男性の父親、もしくは男性本人
(受書をあらためた後)相違ございません。お受けいただきありがとうございました。確かに頂戴いたします。

正式結納の場合(結納品を渡すとき)

結納品を渡すときの口上/仲人
こちらは婚約のしるしとして、○○様(男性)よりのご結納の品でございます。幾久しくお納めください。

正式結納の場合(結納品の受書を渡すとき)

結納品の受書を渡すときの口上/仲人
○○(女性)様よりの受書でございます。幾久しくお納めください。

結納返しの取り交わし(親、本人、仲人)


女性側から男性側へ結納返しが渡され、男性側から女性側へ受書が渡されます。

略式結納の場合(結納返しを渡すとき)

結納返しを渡すときの口上/女性の親(家主体)
気持ちばかりではございますが、○○家よりの結納返しをご用意致しましたので、幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。
結納返しを渡すときの口上/女性の親(本人主体)
気持ちばかりではございますが、○○(女性)よりの結納返しをご用意致しましたので、幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。

略式結納の場合(結納返しを受けるとき)

結納返しを受けるときの口上/男性の親、もしくは男性本人
幾久しくお受けします。誠に結構なご結納返しを賜りまして、ありがとうございます。

略式結納の場合(結納返しの受書を渡すとき)

結納返しの受書を渡すときの口上/男性の親(家主体)
○○家よりの受書でございます。幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。
結納返しの受書を渡すときの口上/男性の親(本人主体)
○○(男性)よりの受書でございます。幾久しくお納めいただけますようお願い申し上げます。

略式結納の場合(結納返しの受書を受け取ったとき)

結納返しの受書を受け取った後の口上/女性の父親、もしくは女性本人
(受書をあらためた後)相違ございません。お受けいただきありがとうございました。確かに頂戴いたします。

正式結納(結納返しを渡すとき)

結納返しを渡すときの口上/仲人
○○様(女性)より、ご結納の品へのお返しでございます。幾久しくお納めください。

正式結納の場合(結納返しの受書を渡すとき)

結納返しの受書を渡すときの口上/仲人
○○(男性)様よりの受書でございます。幾久しくお納めください。

婚約記念品のお披露目


結納の正式な流れには含まれていませんが、結納の席で婚約記念品をお披露目することが近年では一般的になっています。お披露目を行う場合は、事前に両家に伝え、双方の意向を確認した上で、おふたりが主体となって進めるようにしましょう。

女性から婚約指輪をお披露目するときの挨拶
このたびは婚約記念品として、○○さん(男性)から婚約指輪をいただきました。すでに指に着けているのですが、この場であらためて皆様にお披露目させてください。
男性が婚約指輪を女性の指にはめる場合の挨拶
婚約記念品として、○○さん(女性)に婚約指輪をお贈りします。せっかくですので、皆様の前でお披露目させてください。
男性から結婚記念品をお披露目するときの挨拶
このたびは婚約記念品として、○○さん(女性)から腕時計をいただきました。ふたりの結婚生活とともに、末永く大切に使っていきたいと思います。

締めの挨拶(親、本人、仲人)


結納を滞りなく運べたことへの感謝今後の挨拶などで締めくくりましょう。

締めの挨拶をする人
正式結納 仲人夫妻
略式結納 男性の父(父親不在のときは母親か本人)

略式結納の場合

締めの挨拶/男性の親
本日は誠にありがとうございました。皆様のおかげをもちまして、結納の儀めでたく整いました。今後とも末永くよろしくお願いいたします。
締めの挨拶/女性の親
こちらこそありがとうございました。今後とも末永くよろしくお願いいたします。
締めの挨拶/全員
今後とも末永くよろしくお願いいたします。
締めの挨拶/ふたり、もしくは男性から(必要に応じて)
本日は私たちのために、このような場を設けていただき、ありがとうございました。これから、ふたりで支え合いながら幸せな家庭を築いてまいります。どうか今後とも温かく見守っていただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。

正式結納の場合

締めの挨拶/仲人
これをもちまして、○○家 ○○家のご結納式を結びとさせていただきます。本日は誠におめでとうございました。

結納で口上・挨拶を述べるときのポイント

文章を丸暗記しなくても問題ない

結納の場で使う口上には「幾久しく」や「末永く」といった独特な言い回しがありますが、これらの表現を理解しておけば、文章を丸暗記しなくても安心です。相手の家や婚約者に対する感謝の気持ちや、婚約を喜ぶ心が伝われば、自分にとって言いやすい言葉に変えても決して失礼にはなりません。メモを見ながら進めることも問題ありませんので、不安であれば事前に用意しておきましょう。

忌み言葉に注意

結納や結婚式といった慶事では、縁起がよくないことから避けられる「忌み言葉」「重ね言葉」があります。大切なハレの日をNGワードで台無しにしないよう、口上や挨拶を述べるときは気をつけてのぞみましょう。

忌み言葉 終わる、切る、切れる、断る、出す、戻る、など。
重ね言葉 ますます、重ね重ね、たびたび、くれぐれも、など。

もし、「この内容で大丈夫かな?」と不安があるときは、便利なツール結婚式NGワードチェッカーをご活用ください。

まとめ


結納の口上は、両家の縁を深める大切な儀式の一部であり、言葉一つ一つに心を込めることが求められます。適切なタイミングと表現で、相手への敬意を示し、誠意を伝えることが大切です。口上を通して、両家の絆がより強固なものとなり、結納の意味が深まります。

本記事を参考にし、結納の口上を慎重に準備することで、素晴らしい儀式を迎えることができるでしょう。心を込めた言葉で、両家の未来を祝福してください。

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