両親が長寿の節目を迎えた際に贈るお祝いは、感謝の気持ちを伝える大切な機会です。還暦や古希、喜寿など、それぞれの節目には意味があり、それに応じた贈り物やお祝いの仕方が求められます。
中でも、「いくらくらいが適切な金額なのか」という相場は、多くの人が悩むポイントではないでしょうか。金額が少なすぎると失礼に感じられるかもしれませんし、多すぎると気を遣わせてしまうこともあります。
本記事では、両親への長寿祝いで失敗しないための金額相場や、贈り物選びのコツについて詳しく解説します。親孝行の一環として、心から喜ばれるお祝いの準備にお役立てください。
両親の長寿祝いにふさわしい金額相場
両親への長寿祝いの金額相場は、一般的に 3万円から5万円 とされています。ただし、これはあくまで目安であり、具体的な金額は状況によって異なります。たとえば、同居しているか別居しているか、兄弟姉妹と一緒にお祝いをするかどうかなどで調整が必要です。
また、お祝い金だけでなく、会食やプレゼントを用意する場合には、家族間で予算を分担するのも良い方法です。たとえば、兄弟姉妹で協力して金額を出し合うことで、より充実したお祝いを計画できるでしょう。
注意したいポイント
長寿祝いのお祝い金を包む際には、縁起を考慮することが大切です。以下のような数字は不吉な意味を連想させるため、避けるのが望ましいとされています。
こうした縁起の悪い金額を避けることで、より気持ちのこもったお祝いになるでしょう。
金額を調整する際には、縁起の良い奇数を意識したり、総額が適切になるよう家族と相談して決めるのがおすすめです。
長寿祝いのご祝儀袋の書き方とマナー
長寿祝いのご祝儀袋には、細かな書き方やマナーがあり、これを守ることで、より丁寧で心のこもったお祝いを伝えることができます。ここでは、長寿祝いに適したご祝儀袋の書き方や、包み方のポイントを詳しくご紹介します。
用意するもの
長寿祝いのご祝儀袋の書き方とマナー
長寿祝いのご祝儀袋には、細かな書き方やマナーがあり、これを守ることで、より丁寧で心のこもったお祝いを伝えることができます。ここでは、長寿祝いに適したご祝儀袋の書き方や、包み方のポイントを詳しくご紹介します。
用意するもの
新札:お祝い金には必ず新札を使いましょう。
蝶結びの水引:喜びが繰り返し訪れるように、蝶結びが一般的です。
濃い墨の筆ペン:薄墨は使用せず、濃い墨を使用します。
ご祝儀袋の表書き ~年齢別一覧~
ご祝儀袋の表書きは、長寿祝いの年齢に合わせた適切なものを選びます。すべての年齢に適用できる表書きとしては、「祝延寿」「御祝」「寿」がありますが、年齢別に最も一般的な表書きを以下にご紹介します。
還暦 / 60歳:祝還暦、還暦御祝、賀華甲
緑寿 / 66歳:祝緑寿、御緑寿御祝、緑寿御祝
古希 / 70歳:祝古希、御古希御祝、古希御祝
喜寿 / 77歳:祝喜寿、御喜寿御祝、喜寿御祝
傘寿 / 80歳:祝傘寿、御傘寿御祝、傘寿御祝
米寿 / 88歳:祝米寿、米寿御祝、御米寿御祝
卒寿 / 90歳:祝卒寿、卒寿御祝、御卒寿御祝
白寿 / 99歳:祝白寿、白寿御祝、御白寿御祝
100歳以上:御上寿御祝
たとえば「還暦御祝」「古希御祝」など表書きが4文字になることを気にする場合、5文字にして「還暦乃御祝」「古希乃御祝」と書くこともあります。
表書きの上段には「祝」の字を大きく書き、下段には贈り主の名前をフルネームで書きます。
ご祝儀を連名で渡すときの書き方
もしご夫婦や家族で連名でお祝いを渡す場合、それぞれの名前の書き方に注意が必要です。
2名での連名
立場が上の方を中央に書き、もう1名は左側に書きます。姓が同じ場合は、左側の名前を省略しても問題ありません。
3名での連名
最も立場が上の方を中央に書き、右側→左側と順に並べます。全員の文字の大きさは同じにして、統一感を持たせましょう。
4名以上での連名
代表者の名前を中央に書き、その左横に「他家族一同」と小さめの文字で記載します。複数名の場合、すべての名前は別紙に記載し、年長順または五十音順で揃えて書きます。
ご祝儀袋に包む中袋の書き方マナー
中袋に金額を書く際、表には旧字体を使い、金額を漢数字で記載します。裏には贈り主の名前と住所をフルネームで書きますが、同居している場合は住所は省略できます。
金額の記載例
30,000円: 金 参拾圓
50,000円: 金 伍拾圓
70,000円: 金 七拾圓
100,000円: 金 壱拾萬圓
中袋にお札を入れる際のマナー
お札は人物が表を向き、上にくるようにして中袋に入れます。中袋の表に合わせてお札の表面が上になるように配置しましょう。
また、ご祝儀袋を封をする必要はありませんが、どうしても封をしたい場合は付属のシールや軽く糊付けで対応するのが一般的です。
長寿祝いを渡すタイミング
長寿祝いを渡すタイミングには特に決まりはありませんが、家族が集まりやすい時期を選ぶのが理想です。ここでは、長寿祝いを渡す際に適したタイミングやマナーをご紹介します。
お誕生日
現在では満年齢でお祝いをすることが一般的です。そのため、お誕生日に合わせて長寿祝いを行うのが自然です。お誕生日に都合がつかない場合でも、前後1週間程度で予定を合わせるとよいでしょう。
お正月
もともと長寿祝いは数え年で行われていたため、お正月に合わせてお祝いをすることもあります。お正月は家族が集まりやすい時期ですが、飲食店の混雑を避けるため、早めに予約をすることが大切です。
お盆
お盆は家族が集まる時期でもあり、先祖供養を兼ねて長寿祝いを行うことは縁起が良いとされています。ご先祖様への感謝の気持ちを込めて、家族でお祝いするのは素晴らしいタイミングです。
敬老の日
敬老の日は、長寿を祝うための日ですから、長寿祝いにぴったりのタイミングです。ただし、「還暦」や「緑寿」など、比較的若い年齢の場合は、仕事をしている方も多いため、「年寄り扱いされるのが嫌だ」と感じる場合もあります。このため、ケースバイケースで判断するようにしましょう。
ゴールデンウィーク
ゴールデンウィークは大型連休のため、旅行を兼ねた長寿祝いを行うのにも最適です。気候も良好で、日本庭園などの自然美を楽しみながらのお祝いも素敵です。ただし、繁忙期であるため、早めの計画と予約が必要です。
長寿の祝い渡し方のマナー
ここでは長寿祝いのお祝い金を渡す際のマナーを見ていきましょう。
お祝い金は袱紗(ふくさ)で渡すのがマナー
長寿祝いの際には、お祝い金を袱紗(ふくさ)で包んで渡すのがマナーです。袱紗は、包むものに対して丁寧に扱う意味があります。
袱紗の選び方
袱紗は、祝いの場にふさわしい色やデザインを選びましょう。黒や濃い色の袱紗は、仏事で使うため、長寿祝いには明るい色のものを選ぶことが好ましいです。赤や紫など、祝いの場にふさわしい色を選びましょう。
金額に合った袱紗
袱紗には、金額にふさわしいサイズとデザインが必要です。高額な金額を包む場合は、しっかりとした素材で丁寧に包みましょう。
お祝い金を手渡しでなく郵送する場合もマナーよく
もし、お祝い金を手渡しできない場合は、郵送で送ることも可能ですが、その際にもマナーを守ることが大切です。郵送の場合でも、袱紗を用意し、丁寧に包んだ状態で送ることを心がけましょう。郵送時は、あらかじめ連絡をして、受け取る側が驚かないように配慮することも大切です。
まとめ
ご両親への長寿祝いは、その感謝の気持ちを形にする大切な贈り物です。金額や準備物に迷うこともあるかもしれませんが、この記事でご紹介した相場やマナーを守ることで、品格のある祝いの席を整えることができます。
ご祝儀袋や袱紗の使い方など、細部に気を配ることが、より心のこもったお祝いの形になります。食事会やプレゼントを通して、ご両親への感謝の気持ちをしっかりと伝えるために、本記事を参考にして素晴らしい長寿祝いを準備していきましょう。
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